ルーキーイヤーにメジャー初出場・初優勝の快挙! キーガン・ブラドリーってどんな選手!?/93回を数える今年の全米プロゴルフ選手権で、メジャー初参戦ながら見事優勝を飾ったキーガン・ブラドリー選手とはいったいどんなプレーヤーなのでしょうか。その生い立ちから現在までを追ってみましょう。

平均飛距離300ヤードを誇るブラドリー選手のドライバーショット。装着されているシャフトは『Miyazaki Kusala』です。

ブラドリー選手は、1986年6月7日にバーモント州ウッドストックで生まれました。父親のマーク・ブラドリーはワイオミング州ジャクソン郊外にある「ジャクソン・ホール・ゴルフ・アンド・テニス・クラブ」所属のクラブプロ。PGA(全米プロゴルフ協会)メンバーでもあります。
そして、ブラドリー選手を語るうえで欠かせないのが、おばパット・ブラドリーの存在です。オールドファンならご存じでしょうが、パットはLPGAツアー通算31勝(うちメジャー6勝)、賞金女王とプレーヤー・オブ・ザ・イヤーを各2度獲得という輝かしい成績を収め、1991年にゴルフ殿堂入りを果たした名プレーヤー。そんなゴルフ一家にブラドリー選手は生まれたのです。

「子供の頃は毎日のように父親にコースに連れていってもらい、朝から晩までゴルフをしていた」と語るように、ゴルファーとしてはこれ以上ないという環境で育ったブラドリー選手。ただ、アメリカ北東部の山岳地帯に位置する彼の故郷バーモント州は、ウィンタースポーツが盛んで、ブラドリー選手もゴルフができない冬には競技スキーに打ち込み、その速さはバーモント州選抜チームに入るほどでした。

第3ラウンド・14番ホールのセカンドショットで、大きく口を開けたバンカー越しにピンを狙うブラドリー選手。

しかし、子供の頃からトーナメントでプレーするおばの雄姿に憧れたブラドリー選手は、10代でゴルフに専念することを決断。高校2年の時にマサチューセッツ州ホプキンスに引っ越します。そして、2004年にマサチューセッツ州のインターハイ個人部門で優勝を経験したあと、セント・ジョンズ大学に進学。2008年に卒業するまでに、学生競技で9度の優勝を記録しています。

プロ転向は大学卒業後の2008年秋。翌2009年は、ワンルームのアパートで暮らしながらプロとして生き残りをかけてミニツアーに参戦しました。そして2010年、ネイションワイドツアーに昇格。2位を最高にトップ5に5度入るなどの活躍で賞金ランキング14位に入り、ついに2011年のPGAツアーへの出場権を獲得します。

最終日の15番ホールでトリプルボギーを叩き、首位と5打差となったものの、すかさず16番でバーディ。さらに17番でも14mのフックラインを沈めこのガッツポーズ。「一生忘れることはないだろう」と本人が語る起死回生のバーディでした。

こうしてブラドリー選手は念願のレギュラーツアーでのデビューを果たすと、参戦2戦目のボブ・ホープ・クラシックで早くもトップ10フィニッシュ(7位タイ)。4月のバレロ・テキサス・オープンでも9位タイに入り、2度目のトップ10入り。そして、5月に開催されたHPバイロン・ネルソン・クラシックで、プレーオフの末に待望のPGAツアー初優勝を成し遂げます。これだけでもルーキーとしては驚くべき活躍ですが、さらにゴルフ界にその名を轟かせた全米プロゴルフ選手権での優勝。メジャー初挑戦での優勝は、1913年全米オープンでのフランシス・ウィメット、2003年全英オープンでのベン・カーティスに続く3人目の快挙です。

ブラドリー選手の魅力は、なんといっても188cmの長身と長い腕を存分に生かした平均飛距離300ヤードを超えるドライバーショットです。プロとしてスタートを切ったばかりのブラドリー選手はまだ25歳。近年ヨーロッパ勢に押され気味だったアメリカのプロゴルフ界に彗星のごとく現れた大型プレーヤーに、期待は高まるばかりです。

プレーオフ最終ホールの18番パーパットを沈め、拳を突き上げるブラドリー選手。最後まで諦めずに戦った末に掴んだ逆転勝利でした。

全米プロゴルフ選手権とは?

ブラドリー選手が優勝した「全米プロゴルフ選手権」は、マスターズ、全米オープン、全英オープンと並ぶ四大メジャー大会の1つ。第1回大会は1916年に開催され、現在では世界が注目するプレミア・スポーツ・イベントに進化を遂げています。メジャー大会としては、その年の最終戦となることから「Glory's Last Shot(栄光のラストショット)」とも称されます。最多優勝記録は、ウォルター・ヘーゲンとジャック・二クラウス選手の5回。日本人選手としては、中嶋常幸選手の3位が最高です。大会の優勝トロフィーは、PGA(全米プロゴルフ協会)の設立に尽力し、第1回大会の賞金とトロフィーを寄贈したロドマン・ワナメーカーに敬意を表し、「ワナメーカー・トロフィー(Wanamaker Trophy)」の愛称で親しまれています。

ブラドリー選手が全米プロゴルフ選手権で使用したクリーブランドゴルフ製品

全米プロゴルフ選手権スコアボード写真