情熱の国から、夢のアメリカツアーに挑む ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ/2004年のプロデビュー以来、主戦場のヨーロッパツアーで通算7勝。「ダンロップフェニックストーナメント」には、7度出場して2位が2回、3位と4位が一度ずつと、抜群の相性の良さを誇るのが、ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ選手(スペイン)です。欧米のプロやファンの間では“ゴンゾ”の愛称で親しまれ、練習場ではいつも笑顔の彼の魅力に迫ってみましょう。

本当に印象深いシンガポールでの復活優勝

スペイン・マドリード生まれのゴンゾが、初めてゴルフクラブを握ったのは3歳の頃。そして5歳になると、ハンディキャップ10の父親と一緒にコースでプレーするようになった。
「ハンティングや乗馬もやったし、テニスにはかなり熱中したよ。でも、いちばん惹かれたのがゴルフだったんだ」
スペインでゴルフといえば、セベ・バレステロス(2011年死去)。ゴンゾにとっても、セベはアイドルであり、憧れの存在だった。

ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ選手写真

「スペインの若いゴルファーならだれもがセベのようになりたいと願ったし、教わりたいと思った。彼は、スペインだけじゃなく、ヨーロッパ全体のゴルフの底上げに貢献した偉大なプレーヤーだからね。ツアーにしても、ライダーカップにしてもそう。今、僕がプロとしてプレーできるのもセベのおかげ。僕は生前のセベに会うことができた。天才というのはユニークなものだけど、セベもそうだったよ(笑)」
少年時代のゴンゾが、頻繁にラウンドして腕を磨いたのが、地元マドリードの「クラブ・デ・カンポ」。長らく「スペイン・オープン」の舞台になったコースで、1995年にセベが最後にトーナメントに勝った地でもある。また、夏休みになると、スペイン南部のコスタ・デル・ソル(太陽海岸)に面したコースでプレーしたという。

それほどにゴルフに打ち込んだゴンゾだが、早くからプロゴルファーを目指していたわけではない。
「2003年になってからだから、すごく遅かったね。それまで、プロゴルフというのはもっともっとレベルの高い人たちが争う世界だと思っていたんだ。でも、その年に数試合プロにまじってプレーして成績がよかったので、“自分にもやれるかもしれない”と思ったんだ。それに、今トライしなければ、きっと後悔すると思った。後悔するのは嫌だから」

ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ選手写真

プロになることを決意したゴンゾは、翌04年、プロに転向。その年のヨーロッパツアーのQスクールで8位となり、05年のツアー出場権を獲得した。そして、デビューイヤーの「KLMオープン」で早くもツアー初優勝を飾り、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも受賞。その後は毎年のように勝利を重ね、今年10月の「BMWマスターズ」でツアー7勝目を飾った。
「どの優勝も思い出深いね。もちろん、初優勝もそうだけれど、どれがいちばんうれしかったかといえば、11年の『バークレイズ・シンガポール・オープン』。それまでの半年間は、背中を痛めてしまってプレーできない状況が続いていたんだ。あの試合は、“本当にもう一度プレーできるのか?”“以前のように高いレベルでやっていけるのか?”という不安がある中で勝てたし、僕にとって3年ぶりの優勝だったから、本当に印象深いんだ」

「これなら大丈夫」と思える信頼感があるクリーブランドウエッジ

ゴンゾがスリクソンとクリーブランドゴルフ(以下CG)の契約プロになったのは09年2月。招待出場することになっていたアメリカPGAツアーの試合の前週、西海岸にあるCG本社を訪れ、クラブの試打などを行なった。 「CGのスタッフからは、新しい道具に慣れるのにどれくらい時間がかかるかと聞かれた。でも、僕はスリクソンのボールもCGのクラブもすぐに気に入ったから、『明日からでも使えるよ』と答えたんだ。それ以降、ヨーロッパで3勝しているし、日頃のフォローもしっかりしてもらっている。彼らとは素晴らしい関係が築けているよ」

クリーブランドウエッジ 日本未発表モデル写真

日本未発表モデル

CGのクラブの中でも、とくにゴンゾがお気に入りなのがウエッジ。プロ入り後しばらくは他メーカーのウエッジを使っていたが、実はアマチュア時代には長いあいだCGのウエッジを愛用していたという。 「もともとウエッジは僕がいちばん好きなクラブなんだ。CGと契約して、またCGのウエッジをバッグに入れたときには、昔に戻ったような気がしたよ。でも、性能はかつて使っていたモデルより進歩していた。ウエッジは、自分がトラブルに見舞われたときに『このウエッジなら大丈夫』と思える信頼感があることが大事なんだけれど、CGのウエッジにはそれがあるんだ」

年々レベルアップするヨーロッパツアーの主役の一人であるゴンゾ。プレーヤーから見たヨーロッパツアーの魅力についてはこう語る。「ご存じのように、ヨーロッパだけでなく、アジア、中東、アフリカ、オーストラリアと、毎週違う国でプレーする。異なるコースや気候の中でプレーすることが、すぐれたプレーヤーを育てるのだと思う。それに、プレーヤー同士の仲間意識が強いのも、ヨーロッパツアーのいいところだね」

ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ選手写真

そのツアーで、2013年シーズンのゴンゾは、賞金ランキング7位と自己最高の成績を残した。一方、アメリカツアーでは、招待出場した試合でコンスタントに上位に入賞したほか、「マスターズ」で20位タイ、「全米オープン」で10位タイとメジャーでも健闘し、初めてツアーカードを取得した。
そして迎えた新シーズン。ゴンゾはアメリカツアーにフル参戦する。「アメリカツアー挑戦は長年の夢だったんだ。2013年は、かつてないほどメジャーでいい成績を収めることができて、“このレベルでもできる”という自信になった。家族も一緒にフロリダに住むので、僕たちにとっては大きな変化だけど、このチャンスをしっかり生かしたい」情熱の国から、夢のツアーへ。新たな目標にトライするゴンゾの戦いを見守りたい。

PROFILE

ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ選手写真
ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ

1980年スペイン・マドリード生まれ。アマチュア時代は、「アイゼンハワー・トロフィー」や「ボナラック・トロフィー」で、スペイン代表やヨーロッパ代表に選ばれたほか、「スペイン・アマチュア・オープン」(2003年)で優勝。04年にプロ転向し、05年「KLMオープン」でヨーロッパツアー初優勝。同年、同ツアーの「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。ヨーロッパツアー通算7勝、ワールドゴルフランキング35位(ともに13年12月15日現在)。
身長186cm、体重85kg。